東京医科歯科大学愛知県歯科同窓会に出席してまいりました。
梅の開花の便りがとどく季節となりました、2月18日(土)、皆様にはご迷惑をおかけいたしましたが、東京医科歯科大学愛知県歯科同窓会に出席してまいりました。梅で思いされますことに、命を癒し輝かせる梅、東京医科歯科大学のシンボルマークがあります。このシンボルマークも、東京工業大学と統合後の東京科学大学(Institute of Science Tokyo)になった暁には、新しくなっていくのかもしれません。新型コロナウイルスの影響もあり、開催することができなかった3年間に大学を含め世の中は大きくかわっていきましたが、時が経てどもかわらない絆で結ばれている同窓生と久方ぶりに集うことができました。
学術講演は、東京医科歯科大学高齢者歯科学講座教授による「これからの超高齢社会における歯科としての備え―東京医科歯科大学高齢者歯科の戦略-」という演題で行われました。高齢者歯科学分野は第三補綴学講座を起源とし、現在では無歯顎者を対象とした全部床義歯を主とした補綴学と、全身的な管理が求められる高齢者歯科学の、臨床、研究、教育に取り組んでいるとのこと、同窓生とっては「トターレ」(=全部床義歯=Complete Denture)で馴染み深い、講演を拝聴することができました。デジタルトランスフォーメーションが囁かれる昨今、全部床義歯においても、デジタル全部床義歯なるものが進められているとのことでした。従来の製作方法では、筋圧形成や人工歯配列など種々の段階で職人技、経験が必要と言われるテクニックセンシティブさが求められていましたが、CADによって術者間に差がなく義歯作製を提供しうるクオリティコントロールが可能になるとのこと、また、更なる物性の向上を新材料に求める上でのアクリルレジンからの脱却はCAMが可能にするとのこと、全部床義歯の治療システムの大転換を予感するものでした。続いて、インプラントオーバーデンチャーに関しまして、マギルコンセンサスにおいて、下顎に埋入された2本のインプラントを用いたオーバーデンチャーは無歯顎患者にとって第一選択であるとの結論が導き出されました。教授からは、顎堤の状態によって、1本のインプラントを用いたオーバーデンチャーが今後は第一選択になるかもしれないとのこと、顎堤状態と必要とされるインプラントの有無、そして本数との相関には、エビデンスの蓄積が待たれるとのことでした。そして、オーラルフレイルについては、口腔機能低下(咀嚼、発音、嚥下など)、歯の問題(う蝕、歯周病、義歯など)に歯科が積極的に介入し、中でも高齢者に顕著な根面う蝕に関しては、保存の可否、またグラスアイオノマーセメントの再考と、患者のバックグラウンドに応じた対応の必要性を感じるものでした。超高齢社会の中で健康寿命の延伸が求められる今日、かつて私も所属していた講座が、幅広い喫緊の課題に最先端のテクノロジーを駆使し、大きな使命感をもって邁進していることがひしひしと伝わってくる講演でした。
懇親会は、感染対策を十分に行った上で開催されました。3年ぶりの再会に、空いた時間を一瞬で埋めてしまうかの如く盛会でした。トターレの東京医科歯科大学教授、補綴、口腔外科の名古屋大学教授、顎顔面義歯の愛知学院大学教授による、インプラントオーバーデンチャーの床縁形態や、補綴前処置としての抜歯可否、さらにはすれ違い咬合と、懇親会の中においても講演会さながらのディスカッションは、スペシャリストの共演、圧巻そのものであり、まさに医科歯科らしさでもあったのかもしれません。楽しさの中にも、アカデミック、そこにOne Spiceということで、僭越ながら、私が愛知県歯科医師会弦楽合奏団に参加していたこともあり、バイオリンを演奏させて頂きました。お耳に合ったのであれよいのですが…最後に、名古屋大学において、インプラントの適応症は勿論あるものの、欠損補綴においてコンベンショナルな義歯で対応できる症例は多数を占め、口腔外科において義歯の必要性を指導されていることには、驚きとともに、健康寿命の延伸においてはまだまだ義歯の活躍が期待できうることには、嬉しさも感じました。
演奏会の延期
お知らせ欄に掲載しております様、2021年11月25日(木)に津島市の健康講座にて講演を致します。コロナ禍ということもあり、飛沫防止、感染対策を十分に行い、安心安全の講演ができればと存じます。したがいまして、活発な質疑応答、意見交換を伴う双方向での形式においては困難を伴うかもしれませんが、少しでも皆様に関心をもって頂ける内容をお届けしたく考えております。そのような状況、自粛疲れ、閉塞感が漂う日々に多少なれど和やかな気持ちになって頂ければと、昨年ご好評頂きました演奏会につきましては、講演の趣旨と異なってしまうことも否めません故、延期致します。津島のバイオリン教室で習い始めて早いもので40年となります。母に連れられ嫌々だった思い出も、今では弾けることに感謝と、ステイホームとばかりにバイオリン漬け、クラシックにとどまらず、葉加瀬氏の楽曲等も用意しております故、平穏な日常が訪れた際には、医院特設会場にて患者の皆様のお耳にかかればと思っております。今しばらくお待ち下さい。

三叉神経痛
早いもので開院から7年目を迎え、これもひとえに皆様の応援のおかげと感謝の気持ちでいっぱいです。同時に私も40歳を過ぎ、先日初めて脳ドックを受けました。中でも、クモ膜下出血を未然に防ぐべく未破裂脳動脈瘤の検出はとても有意義であり、現時点での検査結果は良好とのこと、今後未然に防ぐためにも健康管理を怠ることなく、診療に努めてまいります。今回の脳ドックの際には「クリッピング術」の世界的名医といわれる加藤教授に大変お世話になり、三叉神経痛に関してもご指導頂きました。三叉神経痛は顔の片側が発作的に強く痛み(電撃痛)、洗顔や食事で多く誘発されます。歯の痛みと近いこともあり、歯科診療において診断の際に鑑別する必要がある疾患の一つであります。当院では、口腔外科との協力は勿論のこと、根本的治療の手術を検討する上では脳神経外科への紹介も含め対応してまいります故、必要な際にはご相談頂ければ幸いと存じます。今回脳ドックを受けましたが、検査を受け予防、早期治療に努める重要性は、歯科にも多少なれど通ずる部分があると感じました。歯が痛くなったりグラグラになってからではなく、予防そして早めの対応を行うことで、これからも皆様のお口の健康増進に努めてまいります。
愛知ひとまち歯科医院概要
愛知ひとまち歯科医院
【診療科目】一般歯科、小児歯科、入れ歯(補綴)
【住所】〒496-0862 愛知県津島市城山町2丁目130-1
【電話番号】0567-28-8280 【インターネット予約】
【休診日】木曜日・日曜日
【アクセス】◎名鉄「津島駅」下車 徒歩15分
◎津島市ふれあいバス Aコース(公共施設巡回コース)
「申塚」バス停より 徒歩2分
◎愛西市巡回バス 佐織南ルート/八開ルート
「町方駅」バス停より 徒歩11分
【駐車場】あり(7台)
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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9:00~13:00 | ● | ● | ● | ー | ● | ● | ー |
16:00~19:30 | ● | ▲ | ● | ー | ● | ▲ | ー |
▲火・土曜日は勉強会のため午後の診療時間は17:00開始となります。
※診療最終受付は診療終了時間の30分前になります。
※新型コロナウイルスの感染状況により、診療終了時間に変更のある場合がございます。夜にご来院される方は、お手数ですが事前に当院までお問い合わせください。